海洋レジャーの安全人の命を救う製品をSEAKER_L3開発の想い

SEAKER_L3
ダイビング船舶と海洋レジャーを楽しむ人が増える一方で漂流・水難事故も多発しています。
ダイビング器材メーカーに約30年勤務後、沖縄に移住した飯野社長の「SEAKER_L3」の想いや製品についてお話を聞くことができました。
バリ島で日本人女性7人がダイビング中に遭難し2人が死亡した事故。引率していたインストラクターは沖縄から向かっていた人だったという。
この事故を受け、業界の方たちから何かいいのないの?とその声をきっかけに開発に至った。
人の命を救うものですが、本来は救難ボタンなんて押さずに笑って帰って欲しい。救難ボタンを押されても我々は嬉しくない。
だからこ緑ボタンを付けた設計思考など、ここでは製品だけでなく飯野社長の想いをメインにインタビューをお届けします。

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クアドラプランニング株式会社 代表取締役社長 飯野敬明
ダイビング器材メーカーに約30年勤務退職し沖縄に移住。
勤務していたメーカーから沖縄で機材販売に力を貸して欲しと声がありサポートをしていく中、バリ島でのダイビング事故をきっかけに、「なにかいいものはないか」と業界の方からの声と、どうにかしなくてはいけないと強く思いクアドラプランニング株式会社を立ち上げる。
海外製品を日本向けにして販売するも価格や性能、法律と一般の人が手にするには壁が大きく「SEAKER_L3」を開発。
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今回「SEAKER_L3」と発売予定の「SEAKER_L4」についてもお伝えさせていただきます。
ここから飯野社長のインタビューをどうぞ。(以下 飯野社長)
インタビュアー・編集部(編集部以下 編集部)

SEAKER_L3、SEAKER_L4について

【編集部】実際うちのスタッフが使ったことがあるんですよ。
スタッフは昔から知ってたんですけど、ゲストが「初めて見た」「やっぱり安心感が違う」と船長も含めてその声をいただいております。
で、今SEAKER_L3が現行で、SEAKER_L4が出ていると

【飯野社長】
これです。(実際に見せていただきました)
ただ、これはダイビングには使えないですよ。
耐圧が10メーターそこそこしかない30メーターまだ入れているんですけどね。
一応、シュノーケリングまでですね。浮力がないので、これ単体では浮いてくれない。
あくまでも救命胴衣とペアで使うためのものなので、ボートとかSUP、カヌーとか、そういうカテゴリーに向けたものですね。
中身も全く一緒なので、これから(SEAKER_L3)浮力と耐圧を抜いたものだと思ってください。
SEAKER_L3デカすぎると言われるんだけどいや、浮力をつけるために中に空間が必要なのでどうしてもこのサイズに物理的になっちゃうから、
ちっちゃくできない物理的には超えられない壁なんです。

SEAKER
SEAKER_L3について画像
SEAKER_4について画像

なぜ充電式ではなく、電池なのか

【飯野社長】
バッテリーのサイズですごく左右されるんですね。
バッテリーが一番重量物なので、バッテリーをどれだけ軽量化できるかは、その境界の大きさを決めちゃうんです。
充電タイプって結局容量の半分になっちゃうんですね。
(実際に中に入っている電池)このサイズで、同じサイズの充電池はあるんですけど、そうすると動作時間が半分になっちゃうんですね。
充電池って充電させなきゃいけないじゃないですか。
海の上で、湿気・塩分を含んだ湿気がある状態で充電、接続すると電気が流れるときに周りの金属イオンを引きずり出して電食、
電気の電に腐食の食で電食っていうんですけど、あっという間に端子がなくなるんです。
そうすると非接触充電しか方法がなくなっちゃうので、海において充電って鬼門なんですね。

SEAKER_L3製品開発と人を救う想い

SEAKER_L3
【編集部】すごく漁師さんにもいいですよね

【飯野社長】
素潜り漁師さんなんかとくにいいと思いますけど、船に乗って漁をしている漁師さんに、
一人漁師さんですよねと、落水しても誰も気づきませんよねこれ付けたらどう?って聞いたら
何それって網につけてもOK?って聞かれたんです。
凄く欲しがってはいますけど、どちらかと言えば違う意味合いで欲しがられています。(笑)

【編集部】過去に亡くなった漁師さんを引き上げたことがあって、海でこうなったんだから帰ってきてくれただけでもありがたい。
その言葉をご遺族の方から言われた経験があって・・・

【飯野社長】
うん。そうなんですよ。
漁師さんがいなくなると2週間ぐらいは他漁師総出で、漁が1週間くらい止まっちゃいますから、
油はどんどんどんどん出で1日5万ぐらい平気で出ちゃうので、結構厳しいもので、
ご遺体が上がるというのはそういうことで、一回沈んでも中でガスが発生して浮かんでくるとはいいますが
本当に浮かんできたところで誰も見つけられないんですよ。
浮かんでくるのであれば、これを使っていれば浮かんだ瞬間に位置はわかりますけどね。
これ単体が浮力があることがすごく大事で、遺体の下に入っちゃうと電波出ないんです。
だから身に着けるのではなくて、SEAKER_L3を近くに身に着けて、紐で繋げて近くに浮かべておくのが一番ベストです。

沖縄だと水温が高いので、体温の喪失に気を使わないで漂流することもあり得ると思うんですけど、
基本的に水温が低い場合は体を縮こまってできるだけ体温が流出しない姿勢になっていなきゃいけないのに
海外の製品ってできるだけ水面から上げてって説明書に書いてある。
無理だからと思うんですよ、なので水面に自立して浮かんで、そこからちゃんと性能が出る機械でなければいけないと思います。

クアドラプランニング設立と製品開発

【飯野社長】
2014年にこの会社を設立したんですけど、もう私もダイビングのメーカーを退社していてダイビングを引退するつもりで、私はこの島に来たんですよ。
ただ事故を受けて色んな仲間からなんかいいのある?ていう声を受けて、この事業を始めたんです。
SEAKER_L3の前に、1と2があるんですけど海外の製品で日本の基準に合わせると値段が上がってしまったので、
もう全く売れなかったですね。だって1台20万円そこそこするんですよね。
それで専用受信機も必要になってくるので、これがまた需要が余ったらヘリにするので無理無理という風になってしまう。
受信機はこういうみんな持っている携帯スマホ・タブレットでできる時代にならないとダメなんだろうなとゆう事で今のSEAKER_L3になった。

SEAKER クアドラプランニング
実際に製品のアプリ、スマートフォン・iPhone・iPad・Applewatchなど沢山のデバイスから操作し試しているのを見せていただきました

右岸で遮られた一部のエリアを広げる計画2024年に向けて

SEAKER クアドラプランニング
【飯野社長】
西表の事故(2023/09/21)、右岸側の石垣島から見えないんですよ。西表島が遮って。
なので直接はエリアにはならないんですね。石垣から石垣の於茂登岳が一番高い山で受信が多分今月も立つと思うんですけれども、それだと狙えない今は。
右岸を狙うにはどうしたらいいか、次年度の来年の3月から予算で与那国を考えましょうと与那国と西表とえらく離れたんですけど、
100キロ圏内なので見えちゃうんですよ。与那国はここに立ってて、これぐらいカバーできているんですよね。
島影だから見えないだけなので、こっち側に立てるとカバーできる。
八重山をほぼほぼその方向からカバーできるかなという計画になっています。

カバーエリアを広げるために石垣島・与那国島・波照間島、それから渡嘉敷島、渡嘉敷の青年の家もともと米軍のミサイル基地の跡地で
高い所にあるのでそこと、久米島に建てると沖縄県ほぼほぼがエリア化するというふうになって来ます。
そこら辺を来年度の予算で何とかしたいなというふうに思っていて、もちろん弊社だけではできないものも。
当然市や県、要するに自治体ですね協力をしながら進めていく。
その第一弾が石垣島です。

元々はダイビング器材メーカーの一社員ということですから、なのでそういう立場になっちゃってるのがいいのか分からないんですけど(笑)
そんな感じで今はやらせていただいて、協力していただけるようになりました。

携帯電話スマートフォンがあるから大丈夫ではない

【飯野社長】
これはBLUETOOTHイヤホンも5分の1しか質力出してないんですよ。BLUETOOTHにもトイレに行くと切れちゃったりじゃないんですか。
でもこれは100㎞以上とびますから。だから電池がちっちゃいだから浮かぶ浮くことができるんです。
だから消費電力が少ないんですね。携帯電話って御存じのようにGPS動かすと半日くらいで多くの人が電池切れちゃうんですね。
そうすると救難を要したとき携帯電話が使いづらいんですよ。
大体ね100%の状態で緊急になるまで使う人はいなくて、大体ピークになるまで半分以上充電使っちゃっているので、
残りで何とか助けてもらうつもりなんです。先ほど海の上では充電しづらい環境ですから、そういう意味合いにおいて携帯電話に海で助けを呼ぶというの結構難しい。
色々試したんですが、携帯電話って基本的には通話するための電波なので、30cmの波が来ると切れちゃう。
画面にアンテナが出てても寸断すると通話が続かなくなっちゃうんで切れちゃうと。
一番僕が問題視しているは堤防で、堤防の陰に入ると電波が入らなくなるんです。(実際に試した資料を見せていただきました)
釣り人堤防から落ちると電波がなく電話しても通じなかったりする場合があるので、そうゆう事も含めて携帯万能論は私にとっては敵です。(笑)
でもね、受信側は携帯に頼っているのでどうにもならないんですけどね。(笑)
だから、船の上にいれば受信できる。その部分で売買の時はそこの部分をちゃんと認識するのは大事だと思っています。

ボタンが2つある理由

【飯野社長】
普通は赤(救難ボタン)しかない。
海外のも皆赤しかない。
僕は赤を押されると救難通報、これだけだと皆幸せになれないな、赤ボタンを押されたら僕らマリン業界側は負けだと思っています。
だから僕は緑ボタンを作りました。緑は救難じゃないんです。
「ちょっとイントラさん助けて今足つりました」とことで押して欲しい。
足攣っただけだとBCDに空気が入っていたら別に大した事にならないじゃないですか、皆さん赤ボタンに恐れない。
だけど、足攣ってる事は周りをちゃんと見ていないとか運動不足とか、ということは放っておくと大変な事に繋がる。
そんな事海の上だからあるじゃないですか、だけどそうゆう時に気軽に押せるボタンがあると海辺に連れて行って
大丈夫ですか?足伸ばしてあげてまた遊びを続けられる。
それ凄く大事だと思うんです。それでボタンが2つあります。

見てみたら何か泳いで、それも沖合のちょっとそこ流れがあるじゃねってところまで出て、というのも、本人気づかないんですけど、
こっちが浮上して船に乗って本人を迎えに行く事もできますよね。

危険な場合に気付ける事も凄く大事、長時間動く事も凄く大事。
入れっぱなしにしておいてで位置情報を絶えず見守ることもすごく大事な方法。
設計思想は救難ではない見守り、救難な状態になって押されても僕らはなにも嬉しくはない。
笑って帰ってもらえる状態にできる設計に仕上がっておりますので、今そうゆう設計思考を持って作ってます。

【編集部】
インタビューにお答えいただきSEAKERだけでなくダイビング業界についての想いもお聞かせいただきありがとうございました。

ー沖縄のダイビング業界についてー
飯野社長:「機材によってお客さんの体験が大きく変わる。そういう遊びのなので、器材のこともちゃんとみんな勉強して欲しいなと思っています。」

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